新型クリーンディーゼルエンジン&MIVECエンジン-燃費向上のための技術::三菱自動車工業株式会社のCSR・環境 :: エコライフ
燃費向上に対する取り組みについてお伺いします。パジェロ用以外のクリーンディーゼルエンジンについてお聞かせください。具体的にはどのような技術や性能なのですか。
ガソリン車と比較すると、ディーゼル車のCO2排出量は2割ほど少ないといわれています。そのため、ディーゼル車にすることで燃費がよくなり、CO2排出量を抑えることが可能です。従って、欧州ではディーゼル車に人気があり、乗用車用でも40~50%のシェアがあります。
ただし、厳しい排出ガス規制に対応させようとすると、燃費はトレードオフ(二律背反)で悪くなってしまいます。その点で、新型クリーンディーゼルエンジンでは燃費をよくするため、排出ガスの後処理技術を導入する、エンジン内部での燃焼をよくする、圧縮比を下げる、燃料の噴射圧を上げるなどの工夫を行っています。
クリーンディーゼルのエンジンとしては、パジェロ用の縦置きのエンジンのほか、乗用車用のFF(フロントエンジン・フロントドライブ(※))方式のエンジンルームに収まるような新型のディーゼルエンジン(1.8L・2.2L)も開発しています。これを、RVRに搭載して欧州市場にも販売を行っています。
※FF方式=エンジンを車体の前部に配置し、前輪で駆動する方式のこと。
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今後、新型クリーンディーゼルエンジンの搭載車は増える予定なのですか。
欧州ではディーゼル車が人気ということもあって、今後も展開をしていく予定です。当社のランサーにも、新型クリーンディーゼルエンジンを搭載しています。
日本でディーゼル車を展開する場合、まずはお客様の理解を得ることが必要ではないかと考えています。そもそも、二世代ほど前のパジェロは国内外問わず、ほとんどディーゼル車だったのです。燃費がよく、低速トルクがあり、車体の重量があるものの走行性能は優れているということで、ディーゼルエンジンを採用していました。
このようにディーゼルエンジンには優れた点が多くあるのですが、「自動車NOx・PM法(※)」などの規制により都心部で乗ることができなくなってしまいました。しかしポスト新長期規制に対応したディーゼル車では、都市部でも販売が可能です。日本でのパジェロ以外の車種展開については現在検討中です。
※「自動車から排出される窒素酸化物および粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」が正式名称。
当社だけでディーゼル車を展開していくことは難しいのですが、他社でもクリーンディーゼル車を販売しており、国や業界を挙げてディーゼル車のイメージ回復(向上)を図っていくことが必要だと思います。
どのようなアクセサリはトンのフロートチューブのために必要ですか?
国のほうでもクリーンディーゼル車を、次世代自動車という扱いで、電気自動車やプラグインハイブリッドカーと同じように補助金による普及促進を図っています。その意味でも、日本でも展開をしていかなければならないと考えています。
ちなみにこのディーゼルの補助金は、9月で今年度の予算がなくなったため、それ以降に販売される車両については補助金がつかない予定でした。それが、今年度の補正予算で制度が復活し、新たに補助金がつく見通しとなりました。補助金の終了後に販売された車に対しても、遡及(そきゅう)して補助金が出ることになりそうです(※2010年10月の取材時)。
なお、ディーゼルなど次世代自動車の補助金(クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金)と、エコカー補助金(環境対応車普及促進事業補助金)は意味合いが異なります。エコカー補助金というのは、古い車の処分や新規で車を購入する場合に支給される、どちらかというと経済的な意味合いの施策です。それに対し次世代自動車の補助金というのは、新しい技術を採用して、燃料にガソリンを使わない車というように、新エネルギーを利用した車を普及させるためのものです。
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クリーンディーゼル補助金は、基本的にベース車との差額の半額が上限となります。クリーンディーゼルエンジンのパジェロの場合、最大で20万円となっており(※)、その分お客様の負担は減るため、販売促進の効果はあると思います。
MIVECエンジンについても、具体的な技術や性能についてお聞かせください。
"MIVEC"を当社では"マイベック"と呼んでいます。これは、「Mitsubishi Innovative Valve timing Electronic Control system」の略称であり、要するに可変動弁機構(可変バルブ機構)を搭載したエンジンのことです。
エンジンというのは、吸気バルブ(弁)から空気を取り入れて排気バルブから排気を行うのですが、そのバルブを開くタイミングを変える、リフトと呼ばれるバルブの開ける量を変える、その位相を変えるなど様々な方式があります。一般的な街中の運転では負荷が一定にならないので、負荷が小さいときはバルブを少し開ける、負荷が大きいときはバルブをたくさん開けるというように、エンジン側で最適な状況にコントロールしているのです。
MIVEC(吸排気連続可変バルブタイミングシステム)エンジンでは、吸気・排気のバルブタイミングを最適制御する機構を採用しており、当社が日本で販売している車のほとんどに、高出力・低燃費・クリーン性能を高いレベルで両立するこのエンジンが搭載されています。
このMIVECエンジンにより、エンジンの負荷や回転数に合わせて開弁状態を変え、燃費をよくすることが可能です。
さらに、現在では位相と開弁時期とリフトの全部を変えることができる、次世代MIVECエンジンも開発中です。これによって、現在のMIVECエンジンと比較して10%~15%ほど燃費を改善することが可能になるはずです。
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