RP技術よもやま話|エーエム開発モデル製作所
弊社では1998年に旧DTM社(現在は3DSysems社に買収されている)のSinterstation2500を導入しましたが、実際にはその数年前からRPの世界を注意深くウォッチしていました。その当時、既に多くの企業が光造形(SLA・ステレオリソグラフィー)マシンを導入し試作の世界も切削加工曲げ加工から大きく様変わりしようとしていました。弊社も当然のことながら、光造形装置を導入することもその選択肢の一つとして検討していましたし、研究の意味も含めて数社のサービスビューローに造形を依頼していました。
しかしながら、弊社の光造形(SLA・ステレオリソグラフィー)造形品に対する評価は決して高くはありませんでした。それは、以下の4点に要約されます。
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A,落としただけで壊れるほど脆い
B,湿度に弱い(湿度が高い気候になると薄肉部が膨潤によって厚みを増し寸法変化する)
C,温度に弱い(耐熱温度が極端に低く 造形品の保管場所や運搬にも気を使う)
D,造形後の機械加工が難しい(脆いためエンドミルやドリルの工具の当たり方が悪いと破損してしまう)
確かにソリッドモデルデータ(実際にはSTL)があれば、切削工法よりも迅速に形状を得られるものの、できあがったモデルは非常に限定された用途にしか向かないという限界があったのです。
これらの短所のいくつかは、現在では耐熱樹脂・柔軟性樹脂などの開発で改善されていますが、汎用性の高い樹脂では依然として短所として抱え込んだままです。
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弊社では、光造形の評価と同時に、粉体(粉末)造形(SLS:Selective Laser Sintering)にも注目していました。
当時粉体造形(SLS)は、日本では一般的に見て非常に評価が低く認知度も低い装置でしたが、弊社の考えとしては、エンジニアプラスチックを粉状にした物を溶融再結晶すれば光造形よりもより本物に近い物性のモデルができる可能性があるのではないかと見ていたのです。しかし当時の素材はポリカを粒子の大きな粉末にしたものであり、得られる造形物の表面は、はっきり言ってザラザラしており要求の厳しい日本のメーカーに受け入れられるとは到底考えられなかったのでした。
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その評価を一変させたのが、DTM社が発表したDuraform(PA)という素材でした。
まず、その表面粗度は充分に満足できるとまでは言えないまでも、従来のポリカ素材よりは数段向上しており、使用目的によっては仕上げ加工無しでも納入に耐えうる程度に造形でき、必要な場合はサンディング処理も容易にできるレベルとなっていました。
ナイロン11を原材料としているので、上記A,〜D,の弱点は無く、現時点で入手可能な最高のラピッドプロトタイピングと評価したわけです。
このようにして、粉体造形(SLS: Selective Laser Sintering)を弊社の最初のRP(ラピッドプロトタイピング又はラピッドプロト)として選択したのですが、上記のように素材を評価して装置を選択したという経緯が象徴するように、装置のオペレートには非常に苦労が多かったのです。これについては機会を改めて述べさせていただきます。
粉体(粉末)造形(SLS: Selective Laser Sintering)は溶融再固化する素材で、純良な粉末に精製可能なものであれば素材として成り立つ可能性があります。
一方、光造形(SLA: ステレオリソグラフィー)は何らかのレーザー光で反応する反応剤で、硬化する液体でなければ素材として成り立たないのです。
このことからも将来的に見て多様な素材が産まれる可能性はどちらが高いかは自明の理です。
しかしながら、Duraform(PA)を発表した後のDTM社は、エンジニアプラスチックの分野に限定してみるとDuraformにガラス粉末を混入させたDuraform(GF)を発表しただけにとどまっており、DTM社を買収した3DSysems社の時代となっても新素材は発表されていません。
これは、金属素材の開発に投資を集中させていたという見方もできなくは無いのですが、弊社としては非常に不満を感じています。
ポリカからDuraform(PA)への移行が粉体(粉末)造形(SLS: Selective Laser Sintering)の世界を一変させたと考えている弊社としては、より優秀な素材開発は重要なポイントであると考えています。
昨年イタリアのCRP Technology社がWindformという商品名で一群の素材をSLS用として開発したことも「市場は現状に満足していない」ということを雄弁に物語っているのではないでしょうか。
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